ラグビーワールドカップ2023のプール戦は残り1ラウンドとなったが、準々決勝進出が保証されているのはイングランドとウェールズの2チームのみである。準々決勝に進める8チームのうち6チームはまだ決まっておらず、各プール戦の試合結果が準々決勝進出に与える影響を概説する。
ここでは、プール戦で三位以上の成績を収めてラグビーワールドカップ2027への出場権を自動的に獲得するチームも取り上げる。
プールA
ナミビアは勝ち点0で残りの試合もないため準々決勝には進めず、ラグビーワールドカップ2027への出場権も自動的に得られていない。フランスは現時点でプール戦を三位以上で終える事が確定している為、ラグビーワールドカップ2027大会への出場権を自動的に得ている。
今後、準々決勝に進めるチームと2027年大会への出場権を自動的に獲得する2つのチームが決まる:
- フランスがイタリアに負けなければ、プールAの首位に立つ。
- イタリアがトライボーナスポイントなしでフランスに勝利し、フランスがボーナスポイント2点のボーナスポイントを取れなくても、フランスはプールAの首位に立つ(15点対14点)。また、フランスとニュージーランド両者が勝ち点15で並ぶと、直接対決のルールでフランスが首位に立つ。
- ニュージーランドがボーナスポイントを得て勝利すると、準々決勝進出が決まる。ニュージーランド、フランス、イタリアの全チームが勝ち点15で並んだ場合、得失点差でニュージーランドが首位に立つ(ニュージーランド+133、フランス +125、イタリア-14)。もしイタリアがフランスに勝利した場合、直接対決のルールでフランスを抑え二位で準々決勝進出が決まる。
- ウルグアイが準々決勝進出を決めるには、ニュージーランド相手にトライボーナスポイントを得て、80点以上の差をつけ勝利する必要があると同時に、フランスがイタリアを破る必要がある。
- ウルグアイはニュージーランド相手にトライボーナスポイントを得て勝利し、オールブラックスには何のボーナスポイントを取られず、イタリアがフランス戦でポイントを獲得できれば、直接対決のルールでニュージーランドより上位に立ちRWC 2027の自動的な出場権を得られる。
- イタリアが1ポイントを獲得すると、RWC 2027の自動的な出場権を得られる。
プールB
トンガとルーマニアは共に勝ち点が0、残り1試合で対戦相手がお互いのため準々決勝には進むことはできない。この2チームはプール戦で上位3チームに入れないため、今後の試合結果にかかわらずRWC 2027への出場権は自動的にスコットランド、アイルランド、そして南アフリカのいずれかに与えたれる。
準々決勝に進めるチームは、今後の試合結果で決まる:
- スコットランドが準々決勝進出するには、アイルランド相手にボーナスポイントを取られずに勝つ必要があり、アイルランド戦に勝利したとしても、直接対決のルールで南アフリカが首位に立つため二位での準々決勝進出となる。
- アイルランドがボーナスポイントを獲得しスコットランドがボーナスポイントを獲得出来なかった場合、アイルランドは直接対決のルールで南アフリカを抑え首位に立つ。
- スコットランドがボーナスポイントを得て勝利し、アイルランドが何のポイントも得られなかった場合、スコットランドは直接対決のルールでスプリングボックスに続いてプール戦二位で準々決勝進出となる。
- スコットランドが勝利し、アイルランドと共にポイントを獲得した場合、勝ち点15で南アフリカと並ぶことになり、各チームの得失点差でプールBの首位が決まる。
- スコットランドが得失点差で南アフリカを上回って首位に立つには21点以上の差をつけて勝利する必要がある(南アフリカ+117、アイルランド+122、スコットランド+97)。この場合、アイルランドは直接対決で南アフリカに勝利しているのでプール戦二位で準々決勝進出となる。また、スコットランドが21点またはそれ以上の差をつけて勝てなかった場合、得失点差で南アフリカが首位となり、直接対決のルールではスコットランドが二位となる。
- アイルランドはスコットランドとの試合で勝ち点2を得ることができれば、準々決勝進出は確定する。
プールC
準々決勝進出:ウェールズ
ジョージアとポルトガルは残り1試合でそれぞれ勝ち点3と勝ち点2の為、準々決勝には進めず、ラグビーワールドカップ2027の自動的な出場権も得られない。また、これはウェールズ、オーストラリア、そしてフィジーがラグビーワールドカップ2027の出場権を得た事を意味する。
ウェールズは既に準々決勝進出を決めており、もう一つの枠はオーストラリアかフィジーのどちらかが獲得する:
- ウェールズがプールCの首位を獲得するには、ジョージア戦で勝ち点1を得る必要がある。
- フィジーは既にオーストラリア相手に勝利している為、直接対決のルールでプール二位を獲得するに、ポルトガル戦で勝ち点1を得る必要がある。
- もしフィジーがポルトガル戦で勝ち点を獲得出来なかった場合、オーストラリアがプール二位で準々決勝に進出する。
プールD
準々決勝進出:イングランド
チリは勝ち点0で残りの試合もない為準々決勝には進めず、ラグビーワールドカップ2027の自動的な出場権も得られない。準々決勝進出とラグビーワールドカップ2027の自動的な出場権を確定させているのはイングランドのみだ。これはもう一つの準々決勝進出枠と、二つのラグビーワールドカップ2027への自動的な出場権を、アルゼンチン、日本、そしてサモアの間で争うことを意味している:
- イングランドは既にプールDを一位で通過する事が決まっている(アルゼンチンと日本の両方に勝利している)。
- 日本対アルゼンチン戦の勝者がもう一つの準々決勝進出の枠を得る。
- どちらかまたは両者共にトライボーナスポイントを獲得するか、サモア対イングランド戦の結果次第で、日本とアルゼンチンが引き分けた場合、両者共に二位になる可能性が十分にある。
- 引き分けで両者共にトライスコアのボーナスポイントを獲得した場合、アルゼンチンは得失点差 (アルゼンチン+46、日本+18) で二位になる。
- 日本対アルゼンチン戦が引き分けで終わった場合、日本が二位になる為には日本だけがトライのボーナスポイントを獲得する必要がある。
- 日本とアルゼンチンが引き分けてどちらもボーナスポイントを獲得出来なかった場合にサモアが二位になるためには、イングランド相手に29点差を付けて勝利し、トライボーナスポイントも得て、尚且つ3 チームの中で最も良い得失点差 (+47) を得る必要がある。この場合、アルゼンチンは日本とのポイント差で3位となり、RWC 2027への出場権を獲得することになる。