女子日本代表、アジア連覇でRWC2025と今季WXV2の出場権獲得

サクラフィフティーン女子日本代表が5月27日、香港で行われたアジア女子チャンピオンシップ第2戦でカザフスタン代表に64-0で勝って2連勝でアジアタイトルを2年連続で獲得。3大会連続6度目となるラグビーワールドカップ2025と今季のWXV2への出場を決めた。

女子日本代表が10本のトライを奪う猛攻で勝利して大会連覇と、ラグビーワールドカップ2025と今季WXV2の出場を決めた。

一方、敗れたカザフスタンは1敗で並ぶホンコン・チャイナとWXV3の出場権をかけて、6月1日の最終戦に臨む。

2つの予選を兼ねた今大会、日本は22日のホンコン・チャイナに勝利(29-12)した日本は、カザフスタンの勝利で優勝と予選突破が決まる一戦へ、第1戦からのメンバー変更をバックスに限定。体調不良で初戦の出場を直前に外れたFB西村蒼空が15番に入り、今釘小町が15番から11番、セブンズ代表経験のある香川メレ優愛ハヴィリが11番から14番にシフト。連携も滑らかになり、勢いのある攻撃を披露した。

前半4分のPR加藤幸子から試合終了直前の後半37分のSO大塚朱紗まで、10人が入れ替わりでトライを取り、大塚はコンバージョン7本も成功させて19得点をマークした。

加藤は、「(前の試合で)敵陣ゴール前でのミスが多くてトライを獲りきれない場面がいくつかあったので、今回は絶対に獲りきるという目標を掲げて練習してきた。一人ひとりがそれを意識したことでトライを量産できた」と指摘する。

今釘も、「1戦目より2戦目の方が、チームとして自分たちの強みを活かして戦うことができた」と話した。

昨年大会の決勝でも対戦して0-72で敗れたカザフスタンは、雪辱を期して大柄なフォワード勢を中心に攻撃を試みるが、日本は競り負けることなく、しっかりと対応。鋭い出足で積極的にプレッシャーをかけ続け、前半半半ばまでにCTB弘津悠とNO8永井彩乃が5点ずつを加えて、19-0のリードを奪った。

前半20分には相手PRのTatyana Dadajanova、その1分後には日本LO吉村乙華にイエローカードが出て、それぞれ14人でプレー。その後、カザフスタンは前半28分にWTBのAlena Melnikovaもシンビンとなり、13人でのプレーとなった。

日本はその間の31分にFL長田いろはがペナルティから素早く持ち込んで5点を奪い、38分にはインゴール前での相手の落下を逃さず、LO佐藤優奈が反応してトライに持ち込み、前半を31-0で折り返した。

日本は後半も攻勢を崩さず、後半13分に吉村が5点を加えると、その後はリザーブ出場のメンバーが次々とトライ。代表戦3試合目の峰愛美、SH阿部恵、代表デビュー戦の町田美陽が決め、最後は大塚がトライ&コンバージョン。日本は昨年に続いて完封勝利で連覇となった。

日本指揮官、選手たちの準備を評価

試合後、選手とコーチングスタッフが一緒になって笑顔で記念撮影に臨み、勝利を祝った。

キャプテンの長田は、「相手というより、自分たちがやってきたことにフォーカスして試合に臨んだ。必要な試合で、結果が出てよかった」と話したが、「この大会はワールドカップへの過程。ここからしっかりレベルアップして、チーム一体となって頑張っていきたい」と、視線を先へ移した。

レスリー・マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチは、「来年イングランドで開催されるワールドカップの出場権と、ケープタウンで開催されるWXV2の出場権を獲得できて、非常にうれしい。選手たちはいい準備をしてここまできた」と、選手たちの取り組みを評価した。

女子日本代表は3月からフォワード合宿を行い、バックス合流後の5月中旬には福岡でホンコン・チャイナとの合同練習を行うなど、準備を重ねてきた。

町田は、「このような試合に出ることができて、トライもできて良い経験になった。フォワード合宿の成果も出すことができた」とデビュー戦の手ごたえを口にした。

サクラフィフティーン指揮官は、「(先行して行った)フォワード合宿でスタンダードを設定したところに、国内のセブンズシーズンを終えたバックスの選手たちが合流した。マーク・ベイクウェルがセットピースの部分で、チームの理解を次のレベルに上げてくれた」と述べて、アシスタントコーチに感謝した。

8強入りを目指す来年のワールドカップに臨む前に、日本は9月下旬南アフリカで開催されるWXV2に2年連続で出場する。日本は昨年のWXVでは、サモアには勝ったがイタリアと優勝したスコットランドには敗れて1勝2敗だった。

加藤は、「昨年の大会では1勝のみという結果に終わったので、今年は勝つことにこだわって昨年よりも良い結果を出して、来年のワールドカップにつなげたい」と言う。

6月にテスト2連戦のフィジー遠征へ

女子日本代表は準備の一環として6月にフィジー遠征を実施。6月14日にスバのHFCスタジアム、20日にはラウトカのチャーチ・ヒルパークでフィジー女子代表とのテストマッチ2連戦に臨む。

今釘は、「個人としてもチームとしてもディテールにこだわってスタンダードを上げて、良い準備をしたい」と語り、長田はワールドカップを念頭に「戦える武器を増やしたい」と話している。

なお、WXV 2024はWXV1からWXV 3まで、開催地は異なるが同時期の9月27日から10月13日まで開催。また、ラグビーワールドカップ2025は来年8月22日から9月27日までイングランドの8会場で行われる。

(Photo credit: HKRC / AR Ike Images)

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