ラグビーワールドカップ2023、ラグビー史上最も視聴された大会に
- RWCフランス2023は、リニア&ノンリニア放送の全番組で3億視聴時間(VH)を達成し、史上最も視聴されたラグビーイベントとなった
- 世界的にリニアTV視聴が減少しているにもかかわらず、フランス2023はイングランド2015を30%、日本2019を19%上回る視聴率を達成
- ドイツやアメリカなどラグビー新興地域を含むほとんどの国で視聴者数が増加
- RWCフランス2023の世界視聴者数のうち85%が無料放送を視聴。すべての人が大会にアクセスできるようにするというワールドラグビーの使命の重要性を再確認
- ストリーミングサービスが拡大、現在では世界の視聴者の5%を占めている。放送局がない国におけるRugbyPass TVの放送は、ラグビーをより身近なものにするというワールドラグビーの戦略の中核を成している
ラグビーワールドカップ2023フランス大会は、史上最も視聴されたラグビーイベントとなり、記録的なレガシーをさらに確固たるものにしました。
フランス2023は、リニア&ノンリニア放送の全番組で13.3億視聴時間(VH)を達成し、北半球で行われた前々回のRWC、イングランド2015(10.1億VH)を30%、前回の日本2019(11.1億VH)を19%上回りました。
男子ラグビーワールドカップの視聴者数の伸びは、競争の激しい世界的なエンターテインメント市場における本大会の人気と関連性を証明しています。開催国のフランスは、代表チームが準々決勝で敗退したにもかかわらず、4億8100万VHで世界最高の視聴率を記録しました。
調査対象となった11カ国のうち8カ国では[1]、世界的なリニアTVの全般的な減少やエンタテインメント提供における競争の激化にもかかわらず、2015年以降視聴率が大きく伸びています。英国の視聴者数は、イングランドがRWC2015を開催した2015年の記録(3億6,100万人)に迫る勢いでした。英国のリニアTV視聴者数が同期間に27%減少したことを考えると、これは素晴らしい結果です。[2].
視聴率の伸びは、ドイツ(1520万VH)、イタリア(1610万VH)、アメリカ(1110万VH)といったラグビー新興国でも観察されており、ラグビーの人気は急上昇していると言えます。
RWC決勝の南アフリカ対ニュージーランド戦は、9400万VHで世界最高の視聴時間を記録、次いで準々決勝のフランス対南アフリカ戦が6900万VHでした。
世界中で視聴可能なスポーツ・スペクタクル
ワールドラグビーは、ラグビーに関連性を持たせ、誰もに身近なスポーツにするという野心に忠実に、最高のラグビーをできるだけ多くのファンに紹介できるよう放送パートナーと提携し、多くの国々で無料放送をかのうにしました。France 2023の世界全体での視聴者は、その85パーセントが無料放送によるものでした。
上位10チャンネルはすべて無料放送で、欧州ではTF1とITV 1がそれぞれ3億2200万時間と2億9500万時間の視聴を獲得しました。フランスの大手テレビ局TF1はすでにワールドラグビーとの長年のパートナーシップを更新し、イングランドで開催される女子ラグビーワールドカップ2025(2025年8月22日~9月27日開催)を放送することが決まっています。
イギリスの放送局が提供しているストリーミング・プラットフォーム「ITV X」は、RWC2023では視聴者数上位8位に入り、2700万VHを記録しました。これは、世界的なストリーミングサービスの台頭傾向を裏付けるもので、7000万VHがオンラインによるものでした。France2023はまた、国際連盟のOTTプラットフォームであるRugbyPass TVでも配信され、全試合が視聴できない国々に提供され、大会期間中に35万人の加入者と170万人のユーザーを獲得しました。
ジャパン2019のレガシーとタイムゾーンへの影響
RWC2019は、アジアで初めて開催されたラグビーワールドカップとして新境地を開きましたが、そのレガシーはいまだ生きています。日本はRWC2023の視聴者数が3番目に多い国であり、7週間で1億7590万VHを記録しました。
これは日本が開催国となった2019年大会からは減少したものの、2023年大会の視聴者数はイングランド2015に比べて221%も増加しており、自国開催によるラグビーワールドカップの永続的な影響と、この地域におけるラグビーの成長を示しています。
プール戦のうち2試合が深夜に行われるという不利な時間帯にもかかわらず、日本の視聴者の86パーセントはライブ観戦で、ラグビーにとって最も重要な国の1つである日本のラグビー人気が証明されました。日本代表のグループリーグ2試合(対アルゼンチン戦と対サモア戦)は、19:45からのキックオフという視聴しやすい時間帯だったこともあり、それぞれ3,300万時間視聴を記録しました。
ワールドラグビーのアラン・ギルピンCEOは次のように語っています。 「ラグビーワールドカップ2023は、フィールドの内外を問わず素晴らしい大会となり、スリリングなスペクタクルが、フランス国内で数百万人、世界中でさらに数百万人の心を捉えたことを嬉しく思います。」
「私たちのスポーツが成長し、新しい市場に普及し続ける中、私たちは放送パートナーと協力し、特に新しい視聴者の視聴体験を向上させ、ラグビーをすべての人のための世界的なスポーツにするというビジョンの達成に貢献していきます。」
インターパブリックグループ(NYSE: IPG)の一員であり、既存のデータソースや独自のツールと、カスタマイズされた調査や知識を組み合わせ、世界で最も有名な連盟、リーグ、クラブに助言を行う大手調査機関であるFutures Sport+Entertainment社によって、ラグビーワールドカップ2023の放送視聴者数の報告が行われました。ラグビーワールドカップの視聴に関する報告書は、各地域の視聴率調査会社が提供する監査済みテレビ局の視聴者と、未監査局の視聴者のモデリングを組み合わせたものに基づきまとめられました。このモデルは、人口規模や視聴契約数、試合別、曜日別、大会ステージ別など、各国のラグビー人気度などを考慮しています。
[1] オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ニュージーランド、南アフリカ、英国、米国。出典 Futures Sports & Entertainment、"Rugby World Cup 2023 Global Broadcast Report"
[2] 出典 放送視聴者調査委員会(BARB)、2023年