ウェールズ:ラグビーワールドカップ2023レビュー
編集者の一押し
ウェールズは厳しいプールで首位に立った後に、ラグビーワールドカップの過去4大会で3度目となるベスト4進出を夢見ていた。しかし、マルセイユの準々決勝でアルゼンチンの激しい反撃に耐え切ることは出来なかった。
色褪せない記憶
アイルランランドのJohnny Sextonが家族と共に国際舞台を後にした数時間前に、パリで繰り返されることになる光景の中で、マルセイユでの準々決勝でアルゼンチン戦に敗れた後、ウェールズのフライハーフとしてのDan Biggar(写真)の時間も彼が望んでいたより早く終わりを迎え、涙ながらに家族と再会した。Sextonと同様、Biggarもまた長いキャリアを通して、本心を正直に話してきた。「初日からそれが私の性格でした。」とBiggarは話した。「人々が私の熱意と、毎秒にかけた思いを覚えていれくれることを願います。(代表での活動が)恋しくなるでしょう。特に感情的になる事はなく、むしろ気持ちが軽くなると思っていましたが、多少の悲しさがあります。」彼が今後もクラブチームでのプレーを続けるトゥーロンの近くの彼の自宅に滞在する、13人の友人と家族は彼を十分に慰めた。
大会1のトライ
オーストラリアを相手にウェールズが決めた2つのトライは両方とも個々の力が発揮されたものであったが、3つ目はキャプテンのJac Morganがモールからトライを決め、記録的な40-6の勝利を決定づけ、ウェールズの素晴らしさを象徴した。
注目のコメント
「私は自分がコントロールできません。何が起こっているか分かりませんし、意識が飛びます。」と、センターのNick Tompkinsはオーストラリア戦でのトライの後にコメントした。ウェールズの中で際立つ選手の一人であるセンターの彼は、フィールドの外でも冴えており、ファンやメディアを湧かせた。
活躍した選手
23歳の若さにして、Morganは国際舞台にその名を知らしめた。彼はポルトガル戦でTommy Reffellがウォームアップ中に負傷した際に起用されると、マン・オブ・ザ・マッチのパフォーマンスを見せた。また、フィジー戦の要となったLouis Rees-Zammitのトライをアシストし、「Jac Morgan、そのクロスキックは信じられないよ?」と、実況アナウンサーを興奮させた。
将来が期待される選手
既にスター選手としての地位を確立し、本大会で決めた5トライでそれを証明してみせた、Cristiano Ronaldoを愛するウイングのRees-Zammitは、代表としてのキャリアの大半は、まだ22歳の若さ故、これからとなるだろう。そして、彼はShane Williamsが保持するウェールズ代表記録の58トライを視野に入れる。彼はスピードと未知となるXファクターを持ち合わせる。
タッチラインから
プール戦の期間にベルサイユに拠点を置いていたウェールズは、受けた歓迎へのお礼として、フランス赤十字の運営の元、特別支援を行う医療教育機関(IME)ル・ロンドを訪問した。 Morgan、Josh Adams、Ryan Elias、Johnny Williamsそしてスタッフは子供たちと簡単なドリルを使って、ラグビーの基本を教えた。「子供たちは、とても幸せそうにしてたのが分かりました。それが一番でした。」とフッカーのEliasは話した。「彼らは笑顔で、本当に楽しんでいました。また、私たちの文化を少し教える機会でもありました。ウェールズのドラゴンの塗り絵をしていたので、ウェールズの旗がどんなものかを分かっていたと思います。素晴らしい朝でした。」
重要な統計データ
ウェールズは準々決勝に進出したチームの中で最も多くのタックルを行い、1試合あたり平均166.8回、これは2番目のチームよりも42回多い回数となる。この流れは、ラグビーワールドカップの大会記録となった252回のタックルを記録した初戦で確立された。
編集者の評価
ラグビー以外の問題に悩まされて残念な結果となった2023年のシックス・ネイションズを受けて、ウェールズのラグビーファンは、過酷なプールCの中での最悪の結果を恐れていたが、最終的に失望したのは準決勝に進出できなかったことであろう。Warren Gatlandは、ヘッドコーチとして以前の任期でウェールズを2度の準決勝進出と、1度のベスト8進出に導いた経験を持っており、ワールドカップに向けてチームを仕上げる為の手段を理解している。ウェールズは、アルゼンチンにリードを許したことを除いては、フィジーに辛勝した大会初戦に刺激を受けてプールを制覇した。「準々決勝での敗北。涙が頬を伝って流れるの感情は、もう二度と経験したくないものです。」とフッカーのDewi Lakeは話した。