ラグビーワールドカップ2023を前に世界のラグビー参加者人口が増加
- パンデミック後、ラグビー参加者人口は急増。2023年には11パーセント増の840万人に増加。
- コロナ後のラグビープレーヤーの57パーセントはプレティーン。そのうちの24パーセントは女子
- ラグビーの成長に向けた戦略的注力により、全参加者の約4分の1は女子
- ワールドラグビーと加盟協会はコミュニティゲームにおけるタックルの高さを下げるルールを導入
- ワールドラグビーが2020年から2023年にかけて行ったラグビー開発への投資額は5億7500万ポンド
ワールドラグビーは、ラグビーがパンデミック(世界的大流行)から立ち直り、記録的な男子・女子ラグビーワールドカップが感動を振りまく中、世界的に急成長を続けていることを確認する新たなデータを歓迎しました。
2023年の統計では132カ国の加盟協会で846万人のプレーヤーがラグビーをプレーしており、2022年当時のレベルから11パーセント増加。コミュニティラグビーもポジティブな状況が見られています。ラグビー新興国、そして女子ラグビーが主にゲームの成長をけん引しています。
みんなのためのグローバルゲーム
- 参加者846万人 (アクティブプレーヤー(非登録者)数150万人、参加者総数500万人、アクティブプレーヤー(登録者数)190万人)
- 成人男性と女性のアクティブ登録プレイヤーはそれぞれ26%と38%増加
- 全プレーヤーの57%がプレティーン
- プレティーン参加者の24%が女子
- 参加者全体のほぼ4分の1が成長に戦略的に焦点をあてている女性
- クラブ数は世界で30%以上増加
- ベルギー、スペイン、シンガポール、ガーナ、ナイジェリア、ザンビアなどの新興国で力強い成長を遂げています。
2023年の統計は、これまでの観客動員数、エンゲージメント、視聴率の記録をすべて塗り替え、ラグビーが次世代の選手やサポーターにリーチし、インスピレーションを与えた強力なプラットフォームを提供した記録的な女子ラグビーワールドカップ2021(2022年に開催)に続くものです。また、9月8日のキックオフを前に、フランスで開催される男子ラグビーワールドカップの認知度と好感度も過去最高を記録しています。
この成長は、世界的なパンデミックの中でワールドラグビーが加盟協会と協力し、コロナ禍における競技規則バリエーション や 「Game on 」グローバルゲーム・コミュニティ競技規則バリエーションの実施、タックルの高さを低くすることを推奨するなど、プレーへの復帰をサポートし、リセットをおこなった後のことです。さらに、ワールドラグビーは、現在ラグビーをプレーしている選手を定義するプロセスの精度をさらに高めるために、各加盟協会と協力してきました。
コロナ禍において参加者が減少し た大きな要因は、学校で不定期に行われるラグビーや、ラグビー入門プログラム、GIR(Get Into Rugby)が多くの国で実施できなかったことです。従来新型コロナ感染症蔓延の間、協会によってはGIRの活動が完全に中止されていました。GIRは年間200万人もの参加者を動員していたプログラムでしたが、コロナ後、ラグビーは一気に回復に向かいました。
ワールドラグビーは、2020年から23年にかけて、ラグビー発展のために加盟協会や地域への支援を含め、5億7500万ポンドを投じています。そして、ラグビーの世界的発展をより可能にするため、より幅広いサービスの提供を通じてさらに強化されます。
ワールドラグビーのサー・ビル・ボーモント会長は次のように述べています。「世界的なパンデミックは、ここ最近において最大の社会的混乱をもたらし、スポーツもその混乱に巻き込まれました。スポーツとして、私たちはリージョンや協会を財政的に支援し、『Game Onコミュニティゲーム向け競技規則の変更』の実施や、コミュニティゲームでのタックルの高さを低くするオプトインの試験など、真摯に対応してきました。私は、これを可能にした数多くのコミュニティクラブのボランティアグループを含むすべての人に感謝したいと思います。」
「ノンコンタクト、コンタクト、セブンズ、フィフティーンズなど、ラグビーはまさにあらゆる人々のためのゲームの形態があります。そして何百万人という男女や少年少女たちがゲームに復帰し、また、新世代の若者たちを感動の渦に巻き込み、ラグビーをプレーしたい、応援したいと思わせるようなラグビーワールドカップ2023フランス大会を目前に、これまでラグビーをプレーしたことがなかった人もゲームに参加するのを目の当たりにしてワクワクしています。」
「しかし、私たちはそこで立ち止まりはしません。ラグビープレーヤーの80パーセント以上が20カ国出身です。伝統的なラグビー中心国だけでなく、それ以外の国々でも発展を遂げ続けるためには、このスポーツが安全かつ魅力的で身近なスポーツであること、また、できる限り意味のあるスポーツであることを保証し続けなければなりません。私たちは、各協会と協力しながら、ラグビーがプレーヤーウェルフェアにおいて最も進歩的なスポーツであることを確固たるものにし、同時にプレーと観戦の体験を向上させる方法を探求していきます。」
ワールドラグビーのパーティシペーションディレクター、ジェイソン・ルイスは次のように付け加えました。「心強いことに、2023年の15人制ラグビーへの復帰をけん引していたのは世界中のプレティーンであり、世界のラグビープレーヤーの57パーセントがプレティーンでした。そして、そのうちの24パーセントが女子でした。クラブの数も、世界で30%以上も増加しています。」
「エンターテイメントとスポーツにおける競争を踏まえれば、スポーツ界全体が抱える課題は、いかに参加者を維持するかであり、2021年に私たちは、加盟協会やリージョナルアソシエーションとのパートナーシップのもと、新たな参加計画を開始し、時間のない若者たちにとってできるだけアクセスしやすく、関連性のあるスポーツにするために努力を続けています。
この計画の中心を成すのは、各加盟協会が能力とキャパシティを開発できるよう支援することであり、『ゲームオン・グローバル・コミュニティ競技規則のバリエーション』は、ワールドラグビーがラグビーのアクセシビリティと持続可能性を推進するために協会を支援する素晴らしい例です。シンプルさ、楽しさ、安全性、そして人数に関係なく試合を行うことを目的としたこのプログラムは、協会に選択肢のメニューを提供するものです。私たちは、すべての人にとって包括的で利用しやすいスポーツとして、あらゆるフォーマットでラグビーの素晴らしい多様性をアピールし続けなければなりません。」
ワールドラグビーの参加計画は、長期的かつ持続可能な成長の基盤を 実現することを目的としています。これは、新規参加者の獲得だけでなく、既存プレーヤーの維持を通じて参加を促進する能力を高めるために各協会を支援することによって達成されます。この計画では、ラグビーをあらゆる人々にとって可能な限り安全で身近な、そして魅力的で楽しいスポーツにするというコミットメントを通じて、パンデミック後に戻ってきたプレーヤー達を歓迎し、新たな参加者を惹きつける方法について説いています。」
この参加計画は、世界中に存在する多様性、そして各協会の発展段階が異なることを認識し、個々の状況に合った差別化アプローチを採用する必要性を踏まえて、ラグビー伝統国では選手維持のサポートにリソースを集中し、一方ラグビー新興国では新規選手の獲得にリソースを集中させていきます。
編集者注
参加者の定義についての改訂(「アクティブな登録プレーヤー」「アクティブな非登録プレーヤー」そして「参加者」に分類)をもとに、協会およびリージョンとの協力によって、世界における参加者数の統計を算出しています。
新たな報告システムのもとで、加盟協会はデータを精査し、協会に所属するアクティブなチームやクラブに関連する追加データとプレーヤー数を照合するよう求められています。 ラグビー界が世界的な参加状況をより正確に把握するために、より強固で洗練されたこの報告プロセスを通じて数字の確認を行っていきます。