ボーモント会長とギルピンCEO、RWC2019開催の日本再訪で競技普及の意見交換
今年9月に開幕するラグビーワールドカップ2023フランス大会を前に、ワールドラグビーのビル・ボーモント会長がアラン・ギルピンCEOとともに2月1日から日本を訪れている。
「最も成功した大会のひとつ」とボーモント会長が評価する2019年大会の開催国で、今後の競技普及について日本ラグビーフットボール協会の土田雅人会長や岩渕健輔専務理事をはじめ、スポーツ庁や日本の関係者らと精力的に会合を持ち、意見交換を行った。
また、2日には日本協会名誉総裁の彬子女王殿下を表敬訪問し、フランス大会への臨席をお願いした。
コロナ禍の影響で来日は2019年大会以来というボーモント会長は、3日に東京都内で行われた会見で「素晴らしい大会を開催した日本に戻ってくることができてうれしい。2019年大会では記録的な盛り上がりを見せ、多くの友情が生まれ、国が一つになった」と振り返り、2019年大会の成功で競技普及の新たな市場と可能性があることが証明され、それによって2027年大会をアメリカで開催するに至ったことに改めて言及した。
ギルピンCEOは、今秋のフランス大会やそのほかの大会でアサヒグループやキヤノン、大正製薬各社からワールドワイドスポンサーやオフィシャルサプライヤーとして支援を得ている点に触れて、「2019年ワールドカップのレガシーがそこにある」と指摘した。
競技面では、日本は2019年大会を契機に旧トップリーグやジャパンラグビーリーグワンにワールドカップで優勝した南アフリカやニュージーランドなど世界トップの選手が加入して、レベルアップも進んでいる。
今回、ボーモント会長とギルピンCEOはリーグワンの試合観戦も予定。南アフリカ代表SHファフ・デ・クラーク選手が加入した横浜イーグルスとブラックラムズ東京の対戦や、日本代表主将を務めたリーチマイケル選手が所属するブレイブルーパス東京と日本代表選手を多く擁する東京サンゴリアスの対戦に足を運ぶ。
ボーモント会長は、「新型コロナウィルスのパンデミックで競技活動は一時止まったが、マインドは止まらない。今週、日本協会および日本政府と非常にポジティブな会合を持つことができている。日本はワールドラグビーと世界のラグビーにとって重要な存在で、ガバナンス体制、商業的原動力、ラグビーのサポーターの面で大事な役割を担っている。日本協会が日本政府の支援の下、競技普及の計画と強い意欲を抱いていることを非常にうれしく思う。男女の新しい大会や女子の新しい戦略で日本がアジアと世界でリーダーシップをとることを期待している」などと述べた。
ギルピンCEOも、「日本協会や日本政府機関の方々、パートナーやスポンサー関係者と有意義な会合ができている。日本がこの先も、トップのラグビー国としてステータスを固め、大きな大会を主催してそこで活躍したいという思いが伝わってきた」とコメントした。
日本は2035年以降の男子ラグビーワールドカップ開催の意思を示しているが、その実現可能性について問われると、ボーモント会長は「日本は最も成功した大会の一つを開催しており、日本がもう一度、開催できない理由はない」と答えた。
さらに、会長は今秋開催するフランスをはじめ、イングランドやオーストラリアなど2大会開催している例を挙げて、「大会を成功させた国に戻る歴史がある」と語った。
Photo: courtesy of JRFU